「あさが来た」主役の波瑠さんの命式は?

今日はNHKの朝ドラ「あさが来た」の最終回でした。女性ながら炭鉱を開発し、銀行経営や保険会社の設立にも積極的に関わり、女子教育も推進した生き方はすばらしいものです。江戸の終わりに生まれて明治維新も経験した、そんな時代の日本の女性とは思えない進歩的でへこたれない生き方はあっぱれです。その時代の一流中の一流の人物とも渡り合っていく姿も信念あってこそなのでしょう。

そのスゴイ人物を見事に演じきった波瑠さんの命式を出してみました。

年柱 辛未(かのとひつじ)         月合神 温禄神 大成神

月柱 甲午(きのえうま) 殺刃(さつじん) 学禄神

日柱 午(つちのえうま)殺刃(さつじん) 学禄神

 

ここからわかるのは、波瑠さんご自身が「戊(つちのえ)」で大きな山であるということです。しかも「土」をしっかりバックアップする「午」と「未」によって、この山はとても強くて目立つ山であると言えるのです。柔軟性や愛嬌はあまり外にあらわれず、がっしりと重厚な生き方をしていくのが向いている人ではないかと思います。

日にちの柱と月の柱にある「殺刃(さつじん)」は「羊刃(ようじん)」ともいい、これは旺の極地で強いということを意味します。一つあるだけでも十分強いのにダブルでついています。ちょっとやそっとではびくともしません。

さらに同じ土でも陽の「戊(つちのえ)」の日の生まれですから、その場合は「殺刃格」と言って、めちゃくちゃ強い人ということになるのです。自分を強く押し出していく生き方をする人であるということです。あまり人のいうことは聞かないかもしれません。

この波瑠さんの命式が、信用を第一とする銀行に関わった人物といったイメージそのものなので、なんてうってつけの人が主役に抜擢されたのでしょうと感心するのです。彼女に白羽の矢を立てたことも番組大成功の理由のひとつであると思うのです。

「信用」を旨とする「銀行」ばかりでなく、また「炭鉱」のイメージも波瑠さんの命式から感じることができます。

それは、同じ「戊(つちのえ)」でも「火」を意味する「午(うま)」が2つもあることから、「熱いものを生み出す山」つまり「炭鉱」につながると思うのです。少しこじつけでしょうか。

また、恐らく主人公のモデルである広岡浅子という人物も、このように強い命式をお持ちの方であったと想像致します。

浅子さんが男性顔負けの仕事ぶりであったということもびっくりですが、まだまだ女性はお家(おいえ)を守っていくものという考えが濃厚の時代に、嫁ぎ先の夫ばかりか舅・姑も巻き込んでしまうパワーには頭が下がります。きっと変人呼ばわりもされたことでしょう。並大抵の覚悟ではできないことを浅子さんはやってのけたのです。

強く自分を出していって、多少の非難もなんのその、甘んじてうけてたつ「男気」の人であったのだろうと私はドラマを見ていて、また実際に残っているお写真を拝見して考えます。

役柄と演じる方のイメージがぴったり重なったことが、ドラマの人気に大いに拍車をかけたのではないでしょうか。

さて最終回に主人公あさは女性たちに語ります。

「うちは江戸の世の嘉永生まれのおばあちゃんだす。うちらの若い頃はなぁ電話はもちろん郵便もあらしまへん。馬車や汽車かてあらしまへん。誰かに何か伝えたい思っても脚絆はいてひたすら幾つも山越えるしかあらへんかったしたもんです。それがほんま便利になって・・・国が育ったらもっともっとみんな幸せになれるおもてたのにこない生きづらい世の中になってしまったのはなんでなんだすやろな。」

「戦争は銃や大砲で人を傷つけて、新聞や世論は人を悪う言うたり勝手な批評して人の心傷つけるばかり。みんなが幸せになるための武器は、銃でも大砲でも悪口でもあらしまへん。ここ〈頭〉とここ〈心〉だす」

「ひとの気持ちおもんぱかることのできる優秀な頭脳と柔らかい心、それさえあったらそれで十分なんだす。その分野でいうたらおなごはんは決して男はんにひけとらしまへん。いや男はん以上にその力おおいに使うことができます」

「若い皆さんはこれからどないな職業に就いても家庭にはいってもそのふたつがあったらおおいに人の役に立つことができます。日本どころか世界の役に立てることがこの先ぎょうさんありますのや。どうぞよく学んでがんばっておくなはれな」

無難になんとなくみんな並んで終わらせる最終回が多いなか、最後まであさはメッセージを伝え続けます。今の時代への警鐘も鳴らすことも作者は怠りません。

明治に生きた色々なタイプの女性をしっかり描ききった脚本も見事です。

主人公あさのように仕事に生きる女性、姉のはつ(宮﨑あおい)のように嫁として舅・姑に尽くして家を守る生き方を選んだ女性、自分自身の幸せは脇において役割を果たすことに幸せを見つけたうめ(友近)、優しく穏やかに家族を見守り続けたよの(風吹ジュン)、家庭に入り子育てに専念する生き方を理想とした千代(小芝風花)、あさに憧れ学ぶ喜びを実践して留学も果たした宜(ノブ・吉岡里帆)などなど、どんな生き方も肯定してくれる作りになっているのも人気のゆえんだと思います。

「この世でまだやらなければならないことがあるうちは生かしておいてくれている」とあさが亡き夫を思ってしみじみつぶやくセリフも、あさもはつもそれぞれが自分の人生を「まだまだこれから」と声に出して言うところも希望が溢れています。

まだまだ見ていたい秀作朝ドラでした。

ちなみに仕事より趣味を優先させがちでおどけたところもあって、常にあたたかく妻を見守り、周囲に慕われた「柔らかい心」の持ち主新次郎を演じた玉木宏の日干はというとズバリ「丙(ひのえ)」の太陽でした。これまた役と本人がぴったり合ってびっくりぽんな配役だったことをお伝えしておしまいに致します。

今日もお読みいただきありがとうございました。