「結び」とは

「結ぶ」という言葉から、あなたは何を思い浮かべますか?

「ご縁を結ぶ」といえば「人と人を結び付ける」ことだから開いていくイメージですし、空いているものの口を紐で結ぶと閉じていくイメージになります。

「結びの言葉」といえば終わりの言葉のことですし、「結婚」はふたりの始まりをあらわします。

日頃から親しみのある「結び」という言葉、いま話題のアニメ映画「君の名は。」でも取り上げられていた言葉です。この言葉を主人公の女の子三葉(みつは)の婆ちゃんが語って聞かせる場面はとても奥行きがありました。

話の作者で映画の監督でもある新海誠氏の伝えたいメッセージのひとつかなと思いました。

 

それは婆ちゃんと三葉と妹の3人で山の上のご神体に捧げ物をもっていく場面でのことです。三葉に背負われた婆ちゃんがゆったりと「ムスビって知っとる?」と話しかけるのです。

「土地の氏神さまのことをな、古い言葉で産霊(むすび)って呼ぶんやさ。この言葉には、いくつもの深いふかーい意味がある」

「糸を繋げることもムスビ、人を繋げることもムスビ、時間が流れることもムスビ、ぜんぶ同じ言葉を使う。それは神さまの呼び名であり、神さまの力や、ワシらの作る組紐も、神さまの技、時間の流れそのものを顕しとる」

「よりあつまって形を作り、捻れて絡まって、時には戻って、途切れ、またつながり。それが組紐。それが時間。それが、ムスビ」

 

そして、「ご縁を結ぶ」ことの最たるものに「結婚」があります。結婚とは「結魂」、つまり本来は「魂の結びつき」をあらわすことなのです。

人はこの世にそれぞれ役割をもって生まれてきているのですが、生まれる前に、自分が魂のレベルで成長できる相手と結婚の約束をとりかわしてきているといいます。いわゆる「赤い糸」で結ばれているということですね。しかも、「赤い糸」は必ずしも1本というわけでもないようですよ。

なぜなら、人は、この世に生まれてくると同時にどんどん意思を持って動き回るからなんですね。成長著しい魂と、とどまって成長しない魂は、歩みの速度が違うので、たとえ生まれる前に契約を結んでいても、この世では出会えず仕舞いということも起こるのです。

そのために何本かの「赤い糸」があるのですね。

出会ったときに惹かれあって、そこに神の啓示のようなものを感じたとしても、ふたりのスピードがあまりに違ったり、片方がもう前に進みたくないとかいうことが起こった場合、魂の成長を共にしていくのはもはや困難ということで離婚、つまり「離魂」の選択がよいでしょうということになるのです。

それは何ら悪いことではないし、むしろ新たなよい出会い、つまり新しい魂とのやり直しが待っているかもしれないのです。

しかし意外と家系的な問題というのがあります。ですから、新しい一歩を踏み出す前に、古い関係は霊的にもきちんとしたほうがよさそうです。

その方法は「神さま」や「ご先祖さま」にきちんと「結びのご挨拶」をするということです。

「これで終わりにします。ありがとうございました。」というご挨拶です。

 

今日はこれでおしまいです。本日もおつきあいいただきましてありがとうございました。