「介護」という言葉が日常茶飯に聞かれる世の中となりました。専門家の力をお借りして、私も携わるようになりました。実際にやらないとわからないことは生活の中でたくさんありますが、介護も同じです。
「とうとう介護することになっちゃったの。」という人に対して、「いいなぁ、私もやりたいな!」と本気で誰でもが思えるようになるといいなと思います。
聖人君子になるわけではなく、介護をすると決めた人に何か特典がつく仕組みです。
これからほとんどの人が関わることになる介護。楽しいなと思える何かがあるといいなと思うのです。介護に携わる人の優しさと忍耐に頼る時代はおしまいにしたいです。
そのためにも、専門の介護の仕事についている方たちの能力の高さを、社会はもっともっと知る必要があると思うのです。
たとえば我が家も、同居の夫の母がケアセンターにお世話になっております。そこで働くスタッフの方たちの専門技術は素晴らしいです。
まず車での送迎。お年寄りのお一人お一人の家を一軒一軒まわり、車に乗せるだけでも大変な労力であるのがわかります。体調を気にかけて下さり、足もとを気にして下さり、持ち物をすばやくチェックして下さり、車に乗る時は頭がぶつからないように気をつけて下さり、見送る家族の心の状態も心にとめて下さり・・・送迎だけでも並大抵のことではありません。
義母の通うセンターでは、色々な精神状態や様々な健康上の問題を抱えた方もいる中で、工夫に満ちた活動が行われています。入浴の介助やお食事のお世話もしていただけます。ノートを用いて活動の報告もして下さいます。実に細やかな配慮と専門知識が必要なことばかり。
優しい心の方がすばらしい心の働きでなさるお仕事だと思いますが、もっと待遇をよくすることが求められると思います。高度な仕事の内容に見合った待遇ということです。
介護はいいな、と多くの人が本気で思えるようにしたいです。
自宅での介護もまた同じです。ケアセンターがあって、私も今のところ仕事も続けることができますし、義母を預かっていただけてる間に自分の時間を持つことも可能です。ありがたい存在といえます。ほっとさせていただける存在です。
それでも面と向かわないとわからないのが、この介護です。実際にお世話する人が悲しい目にあわないような工夫を世の中全体で考えていく時だと思います。私が今この役目をしていることで、何か気づき、発見し、改善していくことにつなげられたらと思ってもいます。
だから、まず私から、楽しい介護、悲しい目に合わない介護を実践していこうと考えています。
被災された地域にも介護する方、される方が大勢いらっしゃることでしょう。大変さは想像に余りありますが、希望を捨てずにどうぞお過ごしくださいませ。遠くからではありますが、ずっと見守りをさせていただきます!