世界の情勢が危なっかしいこの頃です。移民の受け入れを積極的に進めてきたドイツのメルケル政権に反発をする人々、メキシコはじめ他国を目の敵にして排他的な言動をするトランプ氏を支持する人々。経済的に苦しくなると、人はどうしても自分と違うものを排斥することで現状を打開しようとするものなのでしょうか。悲しいことです。
日本も経済格差が広がっています。6人にひとりの子どもが貧困であるというのに、潤っているところはますます潤う。潤っている人が主導する限り、それを変えようするわけがないという考えを最近聞きました。この国もいったいどこに向かっていくのでしょうか。
気学では、日本の誕生したときと地理的な条件から、この国のあり方を分析するというやり方があります。日本の地形から見ていくやり方です。それを「国相」といいます。中心がどこにあるかで見方は変わってきます。かつては京都にありましたが、今現在は東京にあります。中心を「皇居」と見ても「永田町」と見ても、東京都千代田区が中心となります。
さてそこを中心にこの国のかたちを見たとき、日本は何と言っても西南方向に面積を多く持つ地形と考えられます。西南方向は、「二黒土星」の方位です。「コツコツと勤勉によく働く」国民性は、まさにこの象意ぴったりです。二黒はほかにも、忍耐強さや親切で出しゃばらないという特性を持ちます。
また、西にも面積を広く持つところから、「七赤金星」の象意も持ちます。日本の食が世界で注目を集めています。もともと和食は奥が深く、美的センスもよく、味わいも一通りでなく、世界に誇れる日本の文化ですが、最近は庶民的ないわゆるB級グルメのようなものも世界で受けているようですね。七赤の方は美味しいもの好きの方が多いですが、日本の形が七赤の象意を持っているのです。
北は「一白水星」の方位です。ここもある程度の面積を持ちますね。一白は「水」ですから、順応性に富むことを表します。そして、技術や技芸といった意味もあります。日本が世界でも優秀な技術で様々な分野の開発や改良を行って世界を引っ張ってきたのも納得です。
ほかには、東北の「八白土星」の方位も豊かといえましょうか。職人気質の方角です。篤実という意味もあります。誠実で、ひとの身になって思いやることができるということです。本来は持っているのですね、このような心を!
それでは、面積の少ないところ、つまり弱いところはどこなのか。
悲しいかな、東・西北・東南・南であるといえましょうか。
東は「三碧木星」の方位で、「明朗と行動の星」です。そこが少ないということは、外国の方たちから、何を考えているのかわかりにくいと言われてきたことと関係があるかもしれませんね。
西北は「六白金星」、ずばりリーダーの方位です。今の排他的な世界の情勢を打ち破る「和」の精神の日本はどこへやら。「大和」の気持ちで世界を牽引していけるリーダーが必要だと私は思うのですけれど・・・リーダーシップの場所を強化していきたいものです。
東南は「四緑木星」の方位で、「社交」の象意を持ちます。そこも弱いのは残念です。リーダーになるには外交も欠かせません。
そして南は「九紫火星」の方位で、華美というイメージです。大人しい楚々とした風情もまたよいものですが、火のように燃え上がる派手さはあまりないと言えるのかもしれません。
とはいうものの、付き合う相手の影響も受ける可能性があるということは「個人」も「国」もきっと同じでしょう。だからこそ、どの国も少しずつ変化をしているわけです。
日本が日本の国のよさを発揮していくために、気学の智慧が生かされたら素敵です。
今日は接している高校生たちの卒業式でした。自分の頭で考えることのできる人になって、日本や世界のために力を発揮していってほしいなと願います。そしてそれはどんな形でもよいと思うのです。