沖縄は今日「慰霊の日」。太平洋戦争の沖縄戦で犠牲になった方たちを追悼する日です。激しい地上戦のために多くの一般市民が巻き添えになったのが沖縄戦。捕虜として捕まったら米軍に辱められると伝えられた沖縄の人たちは手榴弾などにより自分たちで命を絶ったり、逃げ込んだガマに投げ込まれた爆弾でたくさんの方が命を落としたと聞きます。
小学校6年生の仲間里咲（りさ）さんが追悼式で「平和の礎（いしじ）」という沖縄の方たちの思いがこもった場所で、自作の詩を朗読しました。
「平和ぬ世界どぅ大切」（ふぃーわぬしけーどぅてーしち）
「ミーンミーン」
今年も蝉の鳴く季節が来た
夏の蝉の鳴き声は
戦没者たちの魂のように
悲しみを訴えているということを
耳にしたような気がする
戦争で帰らぬ人となった人の魂が
蝉にやどりついているのだろうか
「ミーンミーン」
今年も鳴き続けることだろう
「おじぃどうしたの？」
左うでをおさえる祖父に問う
祖父の視線を追う私
テレビでは、戦争の映像が流れている
しばらくの沈黙のあと
祖父が重たい口を開いた
「おじぃは海軍にいたんだよ」
おどろく私をよそに
「左からの弾が左うでに当たってしまったんだよ」
ひとりごとのようにつぶやく祖父の姿を
今でも覚えている
戦争のことを思い出すと痛むらしい
ズキンズキンと・・・
祖父の心の中では
戦争がまだ続いているのか
今は亡き祖父
この蝉の鳴き声を
空のかなたで聞いているのか
死者の魂のように思っているのだろうか
しかし私は思う
戦没者の悲しみを鳴き叫ぶ蝉の声ではないと
平和を願い鳴き続けている蝉の声だと
大きな空に向かって飛び
平和の素晴らしさ尊さを
私達に知らせているのだと
人は空に手をのばし
希望を込めて平和の願いを蝉とともに叫ぼう
「ミーンミーン」
「平和ぬ世界どぅ大切〈ふぃーわぬしけーどぅてーしち」 （毎日新聞6月23日夕刊より）
新聞に載っている里咲さんの写真に私はとても惹きつけられました。あどけなさとひきしまった知性が感じられます。2011年に91歳でなくなったおじぃ。おじぃが亡くなったのが5年前であることから、おじぃの悲しみや痛みを感じたのは里咲さんが6歳より前のことだとわかります。
感じる心のやわらかさ。伝えようという思いの強さ。
この思いに私たち大人ははしっかり応えていかなくては恥ずかしいですね。自分さえ守られたらよい、そんなことは不可能です。沖縄が悲しいうちは日本も悲しい。沖縄ばかりにつらいことを押し付けていたら駄目なのに、みんな気づいているのに・・・
沖縄戦の悲しみはこの美しい曲にも歌われています。
さとうきび畑 by 森山良子 作詞・作曲 寺島尚彦
ざわわざわわざわわ 広いさとうきび畑は
ざわわざわわざわわ 風が通りぬけるだけ
今日も見わたすかぎりに 緑の波がうねる
夏の陽ざしの中で
ざわわざわわざわわ 広いさとうきび畑は
ざわわざわわざわわ 風が通りぬけるだけ
むかし海の向こうから いくさがやってきた
夏の陽ざしの中で
ざわわざわわざわわ 広いさとうきび畑は
ざわわざわわざわわ 風が通りぬけるだけ
あの日鉄の雨にうたれ 父は死んでいった
夏の陽ざしの中で （中略）
ざわわざわわざわわ 広いさとうきび畑は
ざわわざわわざわわ 風が通りぬけるだけ
お父さんと呼んでみたい
お父さんどこにいるの
このまま緑の波に おぼれてしまいそう
夏の陽ざしの中で
ざわわざわわざわわ 忘れられない悲しみが
ざわわざわわざわわ 波のように押し寄せる
風よ悲しみの歌を 海にかえしてほしい
夏の陽ざしの中で
ざわわざわわざわわ 風に涙はかわいても
ざわわざわわざわわ この悲しみは消えない
（中略）とした部分には「そして私の生まれた日にいくさの終わりがきた」「風の音にとぎれて消える母の子守の歌」「知らないはずの父の手に抱かれた夢を見た」「父の声をさがしながらたどる畑の道」という物凄いドラマが展開されています。長いのでまとめさせていただきました。
さて、この歌をギター弾きながら実に情感たっぷりに歌い上げる森山良子は滔々と流れる川の水である「壬（みずのえ）」の人。「華蓋（かがい）」という芸術に優れた星と、「文昌貴人」という文才溢れる星などの吉神をたくさん持ってらっしゃいます。知性の人といえます。
一方、息子である森山直太朗は、繊細で柔軟性に富む「乙（きのと）」の人。穏やかに咲くお花の姿をしているけれども「羊刃」を持つ強い「乙」です。お母さまと同じように「華蓋（かがい）」を持ってらっしゃいます。母の影響の強さも命式から感じられます。
本日もおつきあいいただきましてありがとうございました。
今日もよい日でありますように♡