ホタルの命は一週間で燃え尽きる

素敵な方たちと再会する贅沢な日が続いています。

子どもたちが授けてくれたご縁です。

 

昨日は、ホタルの鑑賞会に行ってきました。

ご一緒した方は、娘の中学・高校在学時の保護者会の行き帰りに待ち合わせもしていないのに偶然バッタリ会うということが度重なり、そうなると何かご縁があるのかしらと互いに思い、何度かお茶したり絵を観るなどしていた可愛いママです。

娘の高校卒業と同時にお会いする機会も薄れていたところ、フェイスブックでやりとりするようになり、ついに昨日4年ぶりにお会いすることになったのです。

 

京王フローラルガーデンANGEというところのセミナールームにホタルはいました。

世田谷区に住むご夫婦が愛情たっぷり、手間ひまかけて育てたホタルを鑑賞用にネットに移して、それがお部屋にどうやらいるのだと言います。

「さあ、これからホタルに会いに行きますよー」と綱を持たされ、まるで「電車ごっこ」のような感覚で並んで綱を握って、漆黒の闇のような真っ暗な中に進んでいきます。

最初は目が慣れなくてムムッという感じでしたが、だんだん目が慣れてくるにしたがって、ほのかにに光って飛んでいるものが見えるではありませんか‼

「ここにいる!」「あそこにも!」

「あ、飛んだ!」「飛んでった!」

個体によって動きがまるで違うことにも気がついてきた頃、説明が入りました。

 

ホタルには主にゲンジボタルとヘイケボタルがいますが、ここにいるのはヘイケボタルです。

ゲンジボタルよりひと回り小さくてだいだい1センチくらいの体長です。メスはやや大きいです。

時期もゲンジは6月、ヘイケは7月が見頃です。

幼虫やサナギの頃はタニシやカワニナなどを食べますが、成虫になると何にも食べなくなります。

水だけで暮らします。

オスは10日から2週間くらい生きますが、メスの命は1週間ほどです。

 

「水はきれいなものがいいですか?」と質問すると

「水道水で十分です!」とのこと。東京の水はきれいなのだとか。

 

またこんな情報も。メスがいる所に、オスはまるで落っこちるかのように直線的に向かう姿が、火が垂れるようなので「火垂る」と名付けられたのだそうです。

小さな生き物にとって7日が長いか短いかはわかりませんが、「7日の命」と聞いて何だか急に愛おしい存在に思えてきたから不思議です。

何万光年も輝く星に比べたら、人の一生もあっという間かもしれません。

だからホタルも人も果てしない宇宙に比べたら、ほんの一瞬に変わりないのかなと思うと、ホタルのように完全燃焼して燃え尽きる人生を私は果たして送っているか、何ともあやしい気がします。

 

真っ暗なセミナールームを出ると、そこにはホタルの赤ちゃんやその餌、幼虫、サナギなどがいました。

それぞれの成長具合によって奥様と協力して水槽を分けて、水を常にきれいにし、餌を用意したりお掃除したりされているそうです。

奥様は、その水槽にいるそれぞれのホタルについて、「この人たちはね」と愛情深く語って下さいました。

「このひとたち、実際に大人になれるのは100匹中2~3匹なのよ。」

いよいよもって感慨深いホタルの命です。

そして今日これが終わってホタルを家に連れて帰ったら、まずは水を取り替える作業が待っているそうで、それはペットボトルなどを使って少しずつ少しずつの作業だといいます。

 

面白かったのは、まだ卵の段階のホタルも、サナギとなって土の上にいるホタルも「光を放つ」ことにおいて共通していることです。新鮮な驚きを禁じ得ませんでした。

そして「光を放つ」のはどうやら「婚活」なのだそうです。種を保つために、それは必死になるでしょうね、と妙に納得してしまいました。

 

4年ぶりのママ友との再会も、ホタルとの出会いも、どこか幻想的できらめいていました。

帰りの電車の中で右隣に座った小学生が「宇宙にはね、内宇宙と外宇宙があってね、それはね、無限大のマークのようになっているんだよ。」と、さらに右隣に座ったお母さんに話しているのが聞こえました。

天才か、はたまた宇宙人かと思ってしまいました。

そうしたら次の駅を知らせる案内が「うちゅー、うちゅー」と聞こえました。

実際には「府中、府中」なのでした。

 

本日もおつきあいいただきましてありがとうございました。