メリー・ポピンズのように

絵を観るのが大好きです‼ところが絵を描くのは大の苦手です。

そんな私の絵が小学校のときに展覧会で貼り出されたことがあります。

めったにないことなので嬉しくて、どんな絵だったか今でも覚えています。

タイトルは確か「夢」だったかと思います。

幼い頃から空を飛ぶのが夢だった私が描いた絵は、やはり空を飛んでる場面でした。

大きな瞳の中に、平泳ぎのように手をひろげて空を飛ぶ姿です。

 

実際に私はよく空飛ぶ夢を見ていたように思います。それはいつも宇宙遊泳のように、平泳ぎのスタイルでした。

 

あるとき父母に連れられて「メリー・ポピンズ」の映画を観たときに衝撃を受けました。

だって彼女は雨傘で風に乗って空を飛んでいたのですから。

 

それからというもの、傘を開く度に、そのまま風に乗って空を飛んでいきたいなぁと思うようになりました。

ピンク色で黄色いチューリップの絵柄の傘を、お天気の日にこっそり開いて、風が吹くのを待ってみたりしていました。

メリー・ポピンズへの憧れは、傘で空を飛ぶこと以外にもありました。

彼女が行く先々は、楽しいことだらけ。だって魔法のワザと言葉でたくさんの不思議を起こしてしまうのですもの。

 

まずいお薬がまるでお菓子のような味わいになったり、

片付けが苦手な子どもたちがあっという間にお部屋の片付けができてしまったり。

さらには、友だちのバートが地面に描いた絵の世界に入っていったり、

メリーゴーランドの馬が、本物の馬になっていつの間にか競馬に出場していたり。

 

どこまでも自由で、お洒落で優雅で、でもいい人ぶらないところに今でも圧倒的な魅力を感じています。

その魅力は、「サウンドオブミュージック」でも一世を風靡したジュリー・アンドリュースの美しい歌声と華麗な身のこなしがあってこそです。

どちらの映画も、厳しいしつけをするご主人のいる家に住み込みで子どもたちの世話をする家庭教師という役であるのは興味深いことです。

そして、どちらも、子どもたちが厳しい家庭のしつけに抵抗して、家庭教師にいたずらを重ねてきて追い出してきた歴史があるよいう点も同じです。

おとなの理不尽な押し付けに大人しく従わずに、子どもらしいいたずらで、頭の固い、ご主人に言いなりの家庭教師に反発するエネルギーはみごとです。

子どもたちが待ち望んでいたのは、本当の愛を教えてくれる先生だったのでしょうね。

 

「サウンドオブミュージック」の家庭教師マリアは、子どもたちを心から愛し、妻を亡くして独り身でいる子どもたちの父親とも愛し合い、子どもたちにも望まれて本当の母親になります。

一方「メリー・ポピンズ」の方は、厳格すぎる父親と、女性の参政権のための社会運動に熱心だった母親が、メリーのおかげで子どもたちと愛の交流をするようになると、家を去っていくのです。

 

どちらもステキです。

 

かつて、傘を片手に上昇気流に乗って空を飛ぶメリー・ポピンズに憧れていた私は、別の意味でメリー・ポピンズを理想の姿であると思っています。

自分の役割を果たしてそれを見届けたら、もうそれでよし!

また自分の力を必要としてくれる場所に行くのです。

 

おそらくそれは永久に続くことでしょう。ほぼエンドレスです。

 

教師の仕事も、占い師(鑑定・ヒーラー)の仕事も、はたまた母親としての役割もこれと同じなのだろうなと思うのです。

自分にできるだけのことはやらせていただく。あとは風の吹くまま。風は神の声です。

決してしがみつかない。

感謝すらされなくてもよい。

神さまの手足となって働くことができたなら、それで十分幸せ♡

 

教師としての一年の仕事が終わりそ告げる今、そんな心境です。

「こうあるべし!」と思っていた時よりもはるかに心は自由で楽になっています。

 

本日もおつきあいいただきましてありがとうございました。