連休中に「レヴェナント 蘇えりし者」という映画をみました。ご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。英語でのタイトルは The Revenant で、あの世からの帰還者という意味だそうです。まさに「黄泉の国」から生還した者ということなのです。
そのタイトル通り、レオナルド・ディカプリオ演じる主人公ヒュー・グラスという男は、普通なら命を落としてしまうだろう局面を想像を絶する意志の力と知恵と頑強な肉体をもって生き抜くのです。
開拓時代初期の西部の厳しい冬の荒野は、壮大なんてものではなく、過酷いえ残酷な程の圧倒的な凄まじさです。生き延びるために、何もないところから火をおこし、食糧を調達し、まさしく矢や鉄砲の弾の中を駆け巡り、凍った河に流され、熊にいたぶられ、愛する息子を奪われ・・・あらゆる苦難と闘うのです。
生きることへの執念の凄まじさも驚異でしたが、凍った荒野での「暖」の取り方に私はびっくりしました。が、これ以上言葉を尽くすのはやめておきますね。
最近こそ「冷え」も緩和されてきた私ですが、まずあの荒野の中、私なら手足が冷えてしまってもうそれだけで凍死が必至です。・・・とかなり無理やり「イス」に話の矛先を向けてみました。
今日のテーマはルーン文字の「イス」です!「イス」は縦に棒を一本引いたかたちの文字です。「アイス」のI、つまり氷をあらわす文字なのです。それが意味するところは、「これ以上進まない、進展はない」ということで、パッと見るとがっがりさせられる石です。
毎日いろいろなことが起こるので、「どうしたらよいでしょう?」とルーンストーンによく尋ねます。そんな時に「イス」が出ると、一瞬凍りつきます。アチャ!と思ってしまうのです。しかしよくよく考えると、融けない氷はありません。どんなに冷たい氷でも、時が経って時期がやってきたら氷解します。
実は最近尋ねごとをして、この「イス」が出ました。背中に冷水を浴びせられたようなヒヤリとしたものを感じたあと、「そうだ、今じゃないんだ!」と納得しました。「確かに今はどうにもならないよ。でも時間が経過すると雪解けの状態になっていく。今はそっとしておこうね」と石は教えてくれたのです。
人は、大空を自由に飛ぶ鳥の姿にふと憧れの気持ちを抱きます。この地上で華々しく活躍している人のこともうらやましく感じます。しかしどんな鳥も人もいつも雄飛のときではないはずです。この「イス」という石は、まさにそのことを教えてくれている石なのではないかと思うのです。
じっと雪解けを待ってみる。その間に、じっくり体力の温存をするのです。気力も充実させておきます。エネルギーをできる限り消費せずに、心や身体のメンテナンスに充ててみる、そんな時も必要だよと「イス」は語りかけてくれているように思います。
「雄飛」の時に、より大きく羽ばたくためには「雌伏」の時期も必要ってことかもしれません。
ルーンストーンの世界の奥深さに気づかされた最近のできごとでした。
本日もおつきあいいただきまして、ありがとうございました。