保育園落ちたのは私です!

女性が当たり前に働く社会となりました。かつての日本は「女は家庭を守るもの」という考えが根強かったですね。私も、専業主婦に憧れていた時期がありました。今でこそ、仕事を持っていてよかったなと思えますが、「芸は身を助くる程のふしあわせ」「家に女と書いて安心の安」などと私に言ってきかせた叔母(母の妹)影響もあってか、家に入るのが女の幸せと思っていた私がいました。

経済的な理由もあり、女性でも働くことは普通のこととなりました。我が家も同様です。いったん家に入った者が再び社会に出ていくのは、そう簡単ではありませんでした。

働くことができたのは、子どもを預かってくれる施設があったからです。我が家の場合は、「学童保育」がそれに当たります。「学童保育」に入れなかったら、仕事はできませんでした。

「学童保育」は小学校3年生(まれに4年生)までの児童を放課後、下校時から18時くらいまで預かっておやつを出してくれたり遊んだりしてくれる場のことです。学校に併設されていることが多いので校庭で遊ぶこともでき、基本的に自由に過ごせる場です。

この学童保育にも入所のための審査があります。職場に頼んで書類を書いてもらうのですが、働く時間がある基準に達しないと認められないということもあるのです。せっかく職場が見つかり採用されても、学童の審査に落ちたら全て仕切り直しになってしまうのです。

いま話題になっているのは「保育園」。子どもの年齢がぐっと低くなります。事態は、より深刻でより切実です。

職場復帰をすることだけで大変で、実現に向けては周囲を説得する苦労もあったかもしれません。周囲を説き伏せて採用も決まり、これで生活の見通しができた・・・というところで、子どもの預け場所が見つからない!!

ひとごとではありません。それが「保育園落ちたのは私です!」です。

長年解決されてこなかった待機児童の問題に「いい加減にして!」と立ち上がった母親たちなのです。ツイッターの内容は以下のものです。

 

保育園落ちた日本死ね!!!

何なんだよ日本。一億総活躍社会じゃねーのかよ。

昨日見事に保育園落ちたわ。どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか。

子ども産んで子育てして社会に出て働いて税金納めてやるって言ってるのに日本は何が不満なんだ?

何が少子化だよクソ。

子供産んだはいいけど希望通りに保育園預けるのほぼ無理だからwって言ってて子供産むやつなんかいねーよ。

 

このあと、「保育園を増やしてほしい」「保育園増やせないなら児童手当20万にして」というメッセージが書かれています。

今回若いお母さんたちの力を感じたのは、この問題をひとごとにしなかったこと。「それは私だ」と多くのお母さんたちが立ち上がったこと。この強い賢い力が、いま国を動かしはじめました。みんなが自分のこととして受け止めたとき、動きが生まれるのですね。

自分のこととして受け止める。このきっかけを作ってくれたのが、「保育園落ちた日本死ね!!!」であると私は思います。

そして、「自分のこととして受け取める」ことに色々な問題の解決のいとぐちもあると思うのです。