十干vs十干 丁(ひのと)との相性~文明の灯

今日のテーマは文明の灯である「丁(ひのと)」です。人類が発明したもののうち最も大きなものの一つが「火」であると言えます。「火」は人を温め、木を燃やし、煮炊きを可能にするほかに、浄めるという意味も持ちます。

母の実家ではお盆のとき、焙烙(ほうろく)という素焼きのお皿の上に苧殻(おがら)をのせて火をつけて燃やしました。それが御迎え火となるのだそうです。そして消す前に、その上をまだいで無病息災を祈ったりしました。ちなみに苧殻(おがら)とは、皮をはいだ麻の茎のことです。「火」をまたぐのは「火」によって身体を浄める意味があるのでしょう。。

オリンピックの聖火は、プロメテウスがゼウスのもとから火を盗んで人類に伝えた「火」が起源なのだとか。

人類に文明をもたらした「火」が今日のテーマです。

丁(ひのと)は文明の「火」です。ときにろうそくのようにゆらめく「炎」であり、直火の強力な熱を持ったガスバーナーの火ともなります。また三つが一堂に会すると特別な働きをする「三奇」という現象がありますが、3種類の「三奇」のうち「天上三奇」といわれて「天才的な才能や人気」を表す場合は「丁」は「星」の働きになります。夜空に輝く星です。ちなみに他の2つは「丙」と「乙」です。「乙」はこの場合は「月」になります。

 

さて「丁(ひのと)」の他の十干との関係及び相性をお伝え致しますね。

甲(きのえ):丁(ひのと)の「火」が燃え続けるために、甲(きのえ)の「木」は必要です。つまり丁(ひのと)にとって甲(きのえ)は助けになる必要な存在ということになります。

乙(きのと):キャンプファイアや焚火(たきび)を思い浮かべるとわかるように、「火」を燃やす燃料としては「木」がふさわしいわけで、「お花」では力不足。つまり役に立たないということです。焚火の「焚」の漢字は「火」の上に「木」がふたつ、なるほど!っていう感じ(漢字)ですね。

丙(ひのえ):太陽の存在は、人工の火である「丁(ひのと)」を目立たなくして、むしろ取り込んでしまいます。「丙」と「丁」と命式に並ぶ場合は「丙」の性格のようになります。つまりゆらめくような文化的な雰囲気よりも、派手で陽気なことを好む雰囲気を持つということです。

丁(ひのと):仲間がいて喜ぶかと思いきや、やはり自分を燃やしてくれる「甲(きのえ)」がそばにいてくれる方がよいのです。ろうそくの明かりが二つ並んでいる様を思い浮かべていただくとわかりやすいです。

戊(つちのえ):丁(ひのと)が燃えると「土」に還るというのが「火生土(かしょうど)」ということです。相性は悪くはありませんが、大きな山である「戊(つちのえ)」にとってはろうそくの炎が一つではあまり意味があるとは言えませんが、夏の暑い時期に水がなくて「丁」がたくさんあると「戊」は熱くなってよくありません。

己(つちのと):ニュートラルな関係。「火」は燃えて「土」になりますが、そのとき自分自身のエネルギーは使って弱るということになります。ですから「木」が同時にあれば絶えず燃え続けることができるし、よい循環にもなります。

庚(かのえ):鉱物である「庚」の金属は、「火」によって鍛錬されてはじめて世の役に立つと考えます。ですから「丁」は「庚」にとって必要不可欠な存在といえます。同時に「甲」の「木」がいることで、「丁」の「火」は働き続けることができます。

辛(かのと):頑丈な「庚(かのえ)」と違って、宝石である「辛(かのと)」は、燃える「火」によって溶けてしまいますので迷惑な存在と言えます。「火尅金(かこくきん)」ということになるのです。

壬(みずのえ):大河である「壬(みずのえ)」の「水」は丁の「火」を尅してきます。

癸(みずのと):丁(ひのと)の「火」にとって最も恐れる存在です。水がかかると消えてしまうからです。

 

丁(ひのと)をテーマに書いていましたら、ちょうどお着物の文化に携わっているTさんからメールをいただきました。日本の文化のよさは作り上げるまでの過程もまた大切にするものなのではないかということが書かれていました。丁寧の「丁」ということを実践なさっている方にふさわしい言葉だと感心してしまいました。

このブログは大概は日にちをまたぐ頃に何とか書き上げてのですが、昨晩はパソコンに向かいながら気づくと舟を漕いでおりましたので途中できりあげてお布団にもぐりこみました。朝になり加筆しています。途中の段階(工事中)を目撃された方、びっくりなさいましたね。ごめんなさい。

朝です。皆さまよい一日を♡