朔(新月)には、これから満ちていくエネルギーを持つからでしょうか、限りなく大きい力があるようです。人が解明できていないもの、人知を超えたものの力は測り知れないわけで、自然とか生命とか宇宙などのまだまだ人間の能力では推し測ることができないものに思いをいたすということは、理屈をこねまわすだけの「愚」よりはるかに「賢」であるかもしれません。
昨日から、新月へのお願い事についてのお問い合わせが相次いでいますので、かいつまんで私にわかる限りでご説明致します。
まず、朔(さく・新月)は望(もち・満月)の反対で、地球からは見えない状態の月です。ですから晴れた晩でも夜空を見上げて見えることはありません。また、曇っていたり雨が降っていたとしても、雲の上の月は同じ状態ですから、何ら変わらず存在しています。ですから「新月へのお願いごと」は、お天気にかかわらず、また朔になった以降の時間であれば時間にかかわらず、なさって大丈夫ということです。
「お願いごとが叶いましたぁ!」という声も届いています。お仕事がうまく運んだ方、学業で思い通りの結果が出ている方、人間関係が改善された方・・・などです。人も自分も共によくなるという発想からの願いは叶いやすいように思います。目に見えないところで少しずつ良い方向に向かっていることもあるかもしれません。一歩進んだのに半歩後退してしまったということもあるかもしれません。
根気よくどうぞお続け下さいませ。問題山積みの私の人生は、この「新月へのお願いごと」をするようになってからちょっとずつ良い方向に進んでいる気が致します。ほかのこととの相乗効果もあるかもしれません。叶ったという嬉しいお知らせを今後もお待ちしていますね。
さて今日は「丙」の他の十干との関係及び相性です。
甲(きのえ):せっかく太陽である丙(ひのえ)が命式の中にあっても、水が多すぎる場合は甲(きのえ)の樹木が水を吸ってくれて助けてくれます。また土が多すぎる場合は甲(きのえ)が土を剋して(やっつけるという意味・ここではクワとして土を耕すこと)くれるので助けになると考えます。
乙(きのと):丙(ひのえ)の太陽に対して乙(きのと)は何の役にも立ちません。お花の力は太陽には届かないのです。乙(きのと)のお花は、太陽の恵みを存分に受けるのですが・・・。こんなことからも、丙(ひのえ)の人は見返りを求めないで世の為になることを実践することが開運につながるといえるのです。
丙(ひのえ):太陽がふたつ並ぶということになります。熱すぎます。強烈な熱と光はかえってマイナスです。ほどほどがいいのです。命式に太陽が二つ並ぶ人は、性格的にはめちゃめちゃ明るいように見えて、鬱を抱えていたりします。そして強く水を求めます。ですから水を命式に持つ人との相性がよいようです。また、実際に水を求めるため、アルコールにはまる人も多くいます。喉が渇くのでしょう。アルコールもほどほどがよいのですが・・・。
丁(ひのと):太陽のように目立ってパワーもエネルギーも強い火である丙(ひのえ)にとって、人工の火である丁(ひのと)はあまり存在感がないと言えます。暗闇を照らす文明の灯火(ともしび)として優れた力を持つ丁(ひのと)も太陽の丙(ひのえ)には太刀打ちできないのです。
戊(つちのえ):太陽の恵みは山の土である戊(つちのえ)にも恩恵がないとは言いませんが、土の気が多く(命式に土が多いこと)なると、この強い土が熱く熱せられることにより、火土同根(かどどうこん)の言葉通り土の力が増すことになります。熱くなった山の土は噴火しやすくなるので注意する必要が出てきます。
己(つちのと):畑の土である己(つちのと)が太陽にしてあげられることはありませんが、己にとっては、太陽の恵みは有難い存在で必要なものです。しかしこれまた適度であることが大切です。太陽のほかに、潤いを与えてくれる雨の水(癸・みずのと)があると、土は物を育むのにちょうどよい状態となります。
庚(かのえ):鉱物である庚(かのえ)は火によって鍛錬されてはじめて名刀になって世の役に立ちますが、その場合の火は丁(ひのと)の強い直火(じかび)です。丙(ひのえ)はこの場合はあまり役に立ちません。しかしながら丁と共にある時は、火のパワーを増す働きをします。
辛(かのと):宝石である辛(かのと)は太陽の役に立つ存在とはいえません。とはいえ丙(ひのえ)と辛(かのと)の相性はよく丙辛干合(へいしんかんごう)と呼び、勢いがある関係となります。
壬(みずのえ):丙(ひのえ)の太陽の光が、河川や海の水をあらわす壬(みずのえ)の水面に反射してキラキラと輝きを映して、最も美しいさまと言えます。これを水火既済(すいかきせい)と呼びます。命式にこの二つが並ぶとまず美しさを持った方といえるのです。
癸(みずのと):ここでの癸(みずのと)は雨を降らせる雨雲と考えます。太陽の光も熱もさえぎってしまう存在といえます。太陽の明るさにすこし陰りをもたらします。
このように四柱推命は、自然の風景を思い描くことでその方のありようというものが見えてくるのです。
今日のテーマの丙・太陽は、古来 神として世界の各地で崇(あが)められてきました。日本ではご存知の通り「天照大御神」として信仰の対象でありました。弟のスサノオが乱暴を働いたために岩屋に閉じこもった「天の岩戸」の話は太陽が不可欠であることをあらわしているのでしょう。
ギリシャ神話ではアポロン、ローマ神話ではアポロと呼ばれている神は、毎朝東にある宮殿から太陽の馬車に乗って大空を駆けめぐり、炎をまといながら西に向かって走らせるのだそうです。
仏教では大日如来が太陽をあらわしていますし、民族の数だけ太陽を象徴とする神はいるように思えます。
太陽が唯一絶対の存在で圧倒的なパワーをもつのに対し、月のパワーは魔力にも似た不思議で時に妖しいような力を持つものなのではないでしょうか。生命の誕生にも関係していますし、気が狂うことをLUNATUCというように、月は人の精神世界に大きくかかわっているように思います。
本日もおつきあいいただきましてありがとうございました。