十干vs十干 己(つちのと)との相性~オバマ大統領・トランプ氏

アメリカのケリー国務長官が広島の被爆地で原爆の犠牲者を追悼した後、原爆資料館にも足を運び、30分の予定が時間をオーバーして熱心に黒こげのお弁当箱や被爆して命を落とした男の子が遊んだ三輪車などの展示物に見入ってらしたと報道されています。

世界の情勢がきな臭いように感じられる今この時だからこそ、ケリー氏の行動は価値あるものだと思います。そんなケリー氏の日干は「癸(みずのと)」で知恵を表す「雨の水」の人です。日干「癸(みずのと)」の方は知識偏重ではない頭のよさというものをかんじさせる人が多いです。

土曜日鑑定させていただいた方も、昨日会った友人も「癸(みずのと)」の人。一を聞いて十を知るといっていいくらい打てば響く人が多いのです。そういえば先日お会いした、楽譜を見るとその楽曲がたちあがってくるとおっしゃっていた大学の化学の先生も「癸(みずのと)」の方でした。この日干の方は頭がよいのに頭でっかちな印象を与えないところも魅力です。

さて、ケリー氏にまず広島を訪問させ、国民の反応を確かめてから5月26日から開かれる伊勢志摩サミットに合わせて、自らの広島訪問を検討しているのが、アメリカのオバマ大統領です。既にノーベル平和賞をとってらっしゃるのですもの、世界の平和をリードしていただきたいですね。日本は、唯一の被爆国として、核保有国と非保有国をつなぐ働きをしていけたらいいですね。

オバマ大統領は黒人初のアメリカ大統領として絶大なる人気を誇っていました。そのオバマ氏の誕生日は1961年8月4日です。生まれた時間が不明ですので、三柱しかわかりませんが、年が辛丑・月が乙未、そして日柱が巳です。大地の土の人、それがオバマ氏です。しかもこの「土」は、月の柱にいる「未」や年の柱にいる「丑」がしっかり「己(つちのと)」をサポートしていますので、強い「土の人」といえます。

畑の土・大地の土である「己」は育成や教育の星ですし、新しい現象を巻き起こす星といえます。

また、今や発言内容の過激さと偏狭ぶりがびっくりぽんなあのトランプ氏も「土の人」なのです。1946年6月14日生まれですから、丙戌・甲午・未の人です。時間の柱は己巳という説があります。ご覧の通り、まったくもって「知性「をあらわす「水」の要素が見られません。ぐいぐい力で押してくる「火」のような強さの人、砂漠のような「土の人」、それがトランプ氏です。また折りを見て、オバマ氏とトランプ氏の命式を読んでいきたいと思います。

このほかにもAKB48やかつておにゃんこクラブにモーニング娘をプロデュ―スしてきた秋元康氏も「己(つちのと)」の人です。半ば素人の女の子を一から育て上げ、世の中に新しいアイドルを次から次へと送り込んだ手腕は賛否両論あるとしてもお見事ですし、「総選挙」という政治の言葉を用いて国民を巻き込んでの指名争いをさせるやり方も舌を巻きます。

また日本ハムの監督として大谷翔平選手のアメリカメジャーリーグ行きを思いとどまらせてチームの主力選手として活躍させている栗山英樹氏も「己(つちのと)」の人です。ほかには巨人軍の監督に就任した高橋由伸氏も「己(つちのと)」です。

今日は、この育成の星「己(つちのと)」の他の十干との相性をみていきます。

甲(きのえ):相性ばっちりの関係です。畑の土「己(つちのと)」は甲(きのえ)の鍬の働きにより耕されてよい土になります。「木尅土(もっこくど)」とはいうものの、これはよい尅され方なのです。甲(きのえ)の「木」も「土」の養分で立派に育つのですから、互いに必要な存在と言えるのです。

乙(きのと):お花の乙(きのと)から見たら必要な存在なのですが、己(つちのと)にとっては耕すほどの力量がお花にはないので、特によくもなく悪くもないという関係です。

丙(ひのえ):己(つちのと)の「土」が肥沃な土であるためには太陽の熱や光はありがたい存在と言えます。しかし、太陽には「土」の力は届きません。

丁(ひのと):一部を集中的に熱したり焦がしてくる丁(ひのと)の「火」はここではガスバーナーのような人工の火ととらえるのですが、「土」の役には立ちません。土の中に鉱物である庚(かのえ)が埋まって土を冷やしている場合は、丁(ひのと)の「火」で「金」を尅してくれるので助かります。

戊(つちのえ):己(つちのと)から戊(つちのえ)には役に立つことはできないのですが、反対に戊(つちのえ)は己(つちのと)の味方となります。己(つちのと)と戊(つちのえ)が命式の中の近くにある場合、「戊(つちのえ)」のような性格・振る舞いになります。

己(つちのと):仲間であるようですが、あまり関係はありません。特に弱い土の場合、力にならず、強い土の場合は自分の考えに固執するようになり、よいとはいえません。

庚(かのえ):「土生金(どしょうきん)」の言葉通り、畑の土は庚(かのえ)を生み出す力がありますが、生み出すときにはエネルギーを消費します。

辛(かのと):繊細な宝石である辛(かのと)は土の中に埋もれると「埋金」といって本来の能力が発揮しにくくなります。

壬(みずのえ):畑の土は河川の川によって水浸しになり、ドロドロにしてしまいます。これを「己土濁壬(きどだくじん)」という困ったことをおこしがちなのです。大切に育ててきたものを押し流してしまうのです。「水」もまた「土」により濁ってしまします。

癸(みずのと):畑の土は雨のお水があってはじめて育てる役割を果たすことができます。潤してくれる有難い存在と言えます。雨の水に勢いがありすぎる場合は、濁流となってしまい迷惑な存在となります。

 

こう見てきますと、「適度である」ことの大切さがわかりますね。「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とはうまいことを言ったものです。本日もお読みいただきありがとうございました。