古代チベットの仏教とビジネス

古代チベットの仏教の知恵を解いた本に「ダイヤモンドの知恵」があります。

米国のプリンストン大学を優秀な成績で卒業し、在学中にホワイトハウスで大統領メダルを授与されたゲシェ・マイケル・ローチ氏の書物です。

そして、大学院で得たマコーネル奨学金で、ダライ・ラマ法王の亡命政府があるダラムサラの仏教大学で、チベット人のラマ僧から教えを受けることができたのです。

そこでチベット仏教を学ぶ生活がはじまります。

大学卒業後は仏教寺院で生活し、

1983年 仏教に帰依→20年に及ぶ厳しい修行と試練を経験

1995年 アメリカ人として初の仏教学の最高学位「ゲシェ」を取得

そうして僧侶として修行の基礎がおおよそ身についた頃、直接の師僧にビジネス界に入ることを勧められたのです。

 

一体どういうことなのでしょうか?

 

仏教の深い思想を学ぶには僧院は申し分のない場所であるのだけれど、仏教の教えを実社会で試すなら、あわただしいアメリカのビジネス街はちょうどいい「実験室」ではないか? そのように「高僧な僧院長」は勧められたからなのですって。

いかに師の勧めとはいえ、喧騒と無縁の僧院での生活は捨てがたく、アメリカのビジネスマンのイメージを「貪欲で、無慈悲、思いやりに欠ける」と思っていたため、提案をすぐには受け入れられなかったそうです。もっともな話です。

しかし、その師僧が大学生に語った講話に心が動かされ、ビジネスの世界に踏み出す決心をしたのだそうです。

 

そうして選んだビジネスこそ、ダイヤモンドを扱うものでした。

ダイヤモンド鑑定の資格を取るべく学校に通い、最終試験を終えた日に、共に学んでいた仲間が開業しようとしていた会社の雑用として、時給7ドルで働き始めます。やがてダイヤモンド購入部の責任者を任せられます。

ただし、師僧に言い渡されていたルールがありました。それは、仏教徒であることを隠しておくこと、つまり頭髪は剃らず普通の長さに伸ばし、服装も普通にするという意味です。内面は仏教の賢人、外見は普通のアメリカのビジネスマンでいるということです。

 

そのような異例の著者の書いた「ダイヤモンドの知恵」には、ビジネスの原則がまず掲げられています。

第一の法則 ビジネスは収益をあげなければならない

第二の法則 お金を楽しむこと

第3の法則 自分の事業を振り返って、最終的にそこに何らかの意義があったと言える

 

さて、この本の帯には「成功法則は、思い通りにお金を稼ぐことから、思い通りにパートナーを得たり、現在のパートナーとの関係を改善したりと人生を成功させるために使える」とあります。また「実行すれば必ず効き目のある成功法則」とも書いてあります。

 

ビジネスが目指すものは、チベットの古い教えが目指すもので、全ての人間が目指すもの。

具体的には、自分自身を豊かにすること 外面と内面の両方で富を得ることです。

 

また、続きは今度❢

次回は、もう少し具体的に、この著者の語る「豊かさの享受」についてお伝えできたらと思います。