先程、関東地方で地震がありました。最大震度が茨城県で震度5弱だったようです。我が家は震度3でしたが、緊急地震を知らせるスマホの音に驚きました。揺れる直前に鳴り始める性能はすばらしいですが、鳴ったからといって何もできずにいました。大事にいたらず助かりましたが、それにつけてもこのレベルの揺れが今なお続く熊本の地域の方たちのことが思いやられます。
「『保育園落ちた死ね』で私が伝えたかったこと」という記事が読みたくて3月17日号の文春を買って積んでおいたのを、昨日見返しておりましたら、「3.11を読む」という特集があることに気が付きました。池澤夏樹という作家による「これで五年になる東日本大震災の記憶をこの先どう生かすか。(中略)今になって思えば、あの日は日本国民にとって運命の分かれ目だった。」という記述がありました。
「あの日」がまだまだ生々しく記憶にあるさなかの熊本地震。山積した課題をひとつひとつよい方向に向かわせるために今もっとも必要なことを優先させていかねばなりません。恵まれていると思われていたこの時代、次々と起こる問題にみんなで立ち向かいたいものです。
さて今日は「印」の星のお話です。
「印星(いんせい)」は自分自身に力を与えてくれる働きをします。自分を強めて助けるものをあらわすのです。自分を生むものの筆頭は「母親」です。さらに自分を応援してくれる様々なものがこの「印星」となります。
たとえば目上の引立て、たとえば名声・人気など自分自身を強化し働きを促進してくれるのが「印」なのですね。自分をグレードアップさせるものとしては、ほかに学問、技術、創造研究、芸術などもこれに相当します。
レイモンド・ロ―氏によれば、この「印星」は自分を助けるすべてのものに関連していて、母親のほかに家、衣服、食べ物、薬も含むとあります。そして抽象的な分野、たとえば思考、知識、教育にも関連しているとあります。
事実、教育の分野でこの「印」を持っている方が私のところにも大勢みえています。「大学教授でいらっしゃる方」、「両親を大学教授にもつ方」、「お父さまを大学教授にもつ方」がわけても印象的です。リピーターになって下さっているからです。どなたも知的レベルが高いのが特徴です。そしてどの方もお母さまの影響が色濃いのも大きな特徴です。しかも母子がうらやましいくらいに良好な関係を築いていらっしゃるのも共通しています。
印星は自分を生じる五行ですから次のようになります。
「木」を日干に持つ人←「水」の十干十二支
「火」を日干に持つ人←「木」の十干十二支
「土」を日干に持つ人←「火」の十干十二支
「金」を日干に持つ人←「土」の十干十二支
「水」を日干に持つ人←「金」の十干十二支 が「印」に相当します。
ご覧いただくとおわかりのように、「水」は「木」を生み育て、「木」は「火」の燃料となり・・・という関係です。
同じ「印」でも「印綬」またの名を「正印」というものと、「偏印」との二種類に分かれます。
まずは「印綬」から詳しく説明いたします。日干の五行と陰陽が反対になる関係が「正印」つまり「印綬」です。この星を持つ人は聡明で慈愛の心があり、よく人の世話をします。宗教や福祉に関連することに携わる人も多いです。また希望も大きく、実行していきます。
この星から私が連想する言葉が「ノブレス・オブリージュ」です。「恵まれた素質や環境に身を置く者は社会に貢献する努めを有する」と私は解釈しております。知的センスに恵まれ、温和で賢良で引立てもあるとなれば、世の為人の為という発想になりやすいかもしれません。どんなに優秀といわれ、テストでハイスコアをマークしても、世の為という発想に欠ける場合は真の「印綬」ではないでしょうね。
「月」の「支」にこの「印綬」がある場合が一番強く特徴があらわれます。その場合、見かけはおっとりしていると見られるでしょう。思慮深く冷静ですが、気位の高さから冷たく見られがちであるかもしれません。また現実離れしていてわがままに見られることもありますが、実際は違います。このタイプの人にはずるいところも冷たさもまずないのです。
しかしこの「印綬」がたくさん(命式に3つ以上)あると、どうしても自己本位に見られがちです。また商売やビジネスには向いていません。学者や芸術家、研究家が向いています。
「正財」と「正官」にこの「印綬」が揃うと「富貴の命」になります。「富」は「財産」を、「貴」は「地位」や「栄誉」をあらわす言葉ととらえます。女性でこの3つが揃うと美人である場合が多いです。
もう一つの「印」である「偏印」は、日干と陰陽が同じ関係です。独創性があり、趣味豊か、風流を好みます。同じ親でも義理の関係を意味します。人気もありますが、孤独や別離、また心労や不満を抱くこともあるかもしれません。才能や知恵に恵まれるのですが、才能を過信したり、熱しやすく冷めやすい傾向にあったりもします。
それは「食神(しょくじん)」の働きにストップをかけるからなのです。衣食住や祖先の財産を意味する「食神」の働きを抑制するところから、「偏印」のまたの名を「倒食」とも言います。
「偏印」が「月」の「支」にあらわれると最もこの星の働きが強いのですが、その場合は次のように説明できます。「印綬」のおっとりに比べて機敏な人です。人あたりもよく好奇心も強く、実にたくさんのことに興味を持ちます。しかしながらおっちょこちょいなところがあって、ズボラにもなりかねません。学問や技術・芸術もたしなみますので、しっかり自分のものとなるようにできると成功します。
この星の人へのアドバイスは「長続きすること」だといえましょう。また気ままで自分勝手な人ともとられがちなので、気分のムラをできるだけなくすことが大切です。迷いがちでもあるので決断力のある友人や目上を大切にすることもプラスです。
同じ学問や技術、芸術でも、「印綬」が古典芸能や伝統的手法に従ったものに重点が置かれるのに対し、「偏印」は革新的なアイディアを編み出すのに適していると言えます。
アルベルト・アインシュタインが1905年に相対性理論を発明したとき、ちょうど偏印が大運でまわってきたときだといいます。26歳のことでした。1879年3月14日午の刻生まれのアインシュタインの命式は次の通りです。
年 己(つちのと)卯(う)
月 丁(ひのと) 卯(う)
日 丙(ひのえ) 申(さる)
時 甲(きのえ) 午(うま)
ご覧いただくとおわかりのように、自分自身は「火」で、「丁」も「午」も「火」です。「火」の燃料になる「木」である「卯」が2つに「甲」までありますから、旺盛な「火」に人ということになります。これ以上「火」の勢いを増す「印」の星は悪い働きとなります。が、「偏印」がまわっているときに発明したのです。
しかし、偉大な発明が世に出るのは、この「印」が大運を去ってからとなりました。43歳まで待たねばなりませんでした。それでも若いですけれど・・・
アインシュタインの命式からわかるのは、たとえ知性を意味する「水」が全くなくとも、この「印星」が学問・研究・教育をあらわすということです。
納得していただけましたでしょうか。なお内容の一部は「実践 四柱推命鑑定術 レイモンド・ロ―著 山道帰一監訳 アマーティ正子翻訳」を参考としました。
明日は、自分自身をあらわす「比肩」「劫財」(ひけん・ごうざい)について説明したいと思います。
本日もおつきあいいただきましてありがとうございました。