住まいのあるここ東京の郊外には、春になるとツバメが飛来します。そのツバメを通して子どもたちに自然と接すること、ものの見方、本物に触れることなど、人生に必要なものを深く伝えて下さった地元小学校の先生が、ご自宅の敷地に私設文庫を手作りでつくられて、もう7、8年経つでしょうか。
その先生は高橋 健(たけし)先生とおっしゃいますが、この春社会人になった三女が担任していただいたり、私がクジでPTAの代表になってしまった時には共に同じ目的に向かって活動したことから、その文庫でイベントがあるとお知らせをいただきます。今日は、その待ちに待ったイベントの日でした。
その私設文庫「本と珈琲 soil」は何度訪れても心休まる空間です。
自然と共にという精神が息づく建物は、木のぬくもりと土壁のあたたかさでできています。テーブルも天然の木の趣きがそのまま生かされていますし、灯りも優しく長居したくなってしまいます。大きな窓がない代わりに、天井からは太陽の柔らかい光が、障子の紙を通して部屋に届くようになっているのです。
1階は詩と自然に関する本があり、先生がご自分で撮られた写真が今は飾られています。街で出会う何気ないものが、先生の眼を通すと不思議な幾何学模様となって見えたり、鮮やかな彩りのオブジェのようになって見える、そんなことが伝わってくる写真たちです。
2階は「星野道夫文庫」になっていて、「星野さんの写真集・エッセイ集を通して、多くの方に星野さんの自然観、文明観、生命あるいは死生観等に触れていただきたい」「星野さんの本の中には、これからの私達の指針となる考えやヒントがいくつも示されている」という思いが伝わってきます。
今日は、その星野さんも登場する映画「ガイア・シンフォニーⅢ」の上映会が開催されました。
元NHKディレクターの龍村 仁(たつむらじん)氏と高橋先生は居酒屋さんで意気投合して、「ガイア・シンフォニー」を上映する許可をいただけたのだそうです。思いは通じるのだなと、その話をうかがって感じました。
ドキュメンタリーであるその映画はシリーズになっていて、昨日上映された第三番は、星野道夫さんをめぐって、その生き方や魂に触れた方たちの言葉が自然を背景に語られる映画です。地球の生命力や大自然に生きるということが美しい映像や人々のあたたかさと共に描かれる映画でもあります。
星野さんの奥様の直子さんは一昨年の12月にこの文庫にお見えになったのですが、すがすがしい美しさをたたえた方だったと今もその清らかなたたずまいが印象に残っています。
その直子さんや、今は大学生となっている息子さんの翔馬さんも、映画に登場しています。翔馬さんのあどけない幼児だった姿から、道夫さんの魂がしっかりそばにいて見守っているのがわかります。
私自身は、何故今日この映画と出会ったのか、流れる映像と登場人物の話すスピリチュアルな内容から、その意味がよくわかりました。今の自分に必要なものだと気がつきました。
生き物全てにはスピリットがあり、かつて人は動物と会話ができたのだということ、木は神聖な魂を持っていて、マザーツリーと呼ばれる木があること、落ち着いて心を鎮めると天からメッセージをいただけて、正しい針路を示していただけること、などなどシータヒーリングとリンクするのです。
さらに、カヌーで文化が伝わったことなど、今年感動の出会いをしているノニの伝わり方ともリンクしています。ほら貝とプラントをカヌーに積み込み、島々を渡って文化を継承していったこと、それは人類の歴史と重なっていることも暗示していたように思います。
アラスカの大地、ハワイやタヒチの島、どこも謙虚に自然から教えを受け取ってきた地です。
ワタリガラスの魂を持っているアラスカ原住民の男性、神聖なパワーを身につけています。星野さんはといえば、彼はクマの魂を持っていた。クマの眼で世界を見ていた、だから彼の眼差しはひたすら優しいのだろうなと感じました。
命は全てつながっているんだなと感動しました。
1回では全てを理解できたとは到底言えません。とりあえず感動がそこにはあったということだけをお伝え致します。
ご興味がおありでしたら、ぜひご連絡ください。
高橋先生は、この映画を鑑賞する方の裾野を広げるために、≪二人でシネマの会≫というのを企画されています。知り合いの2人以上10人前後までで、希望する曜日に上映をして下さるというものです。ひとり1000円で先生こだわりの焙煎珈琲または100%果実のジュース付きです。
一度は鑑賞する価値があります。魂が揺さぶられること間違いありません。今日一緒に行って下さった友人も、また観たいと言ってくれました。直観で、よいものをしっかりと捉える素敵な友です。
帰ってきたら、三女が母の日のお花を用意してくれていました。初任給で買ってくれたようです。
今日訪ねた先生にかつて担任していただいた娘です。
本日もおつきあいいただきましてありがとうございました。