いま小学校の校庭は、みんなで一緒に育てた朝顔の鉢植えがたくさん並んでいます。夏休みの直前には、その鉢植えを持って帰る小学生の姿が見られます。夏休みの象徴とも言える朝顔、いいですよね。
浴衣の柄にもなる程の全体的な涼し気な風情もよいけれど、独特な葉っぱの形も心惹かれます。
さて、お世話になった方から夏にふさわしい水羊羹が届きました。
20代で、まだまだヒヨコみたいだった私を旅行に誘って下さった方からです。
イギリス・フランス・スイス、そして最後にイタリアを巡る旅で、お城だったところにも泊る豪華な旅で、その旅行費用を全額出して下さった方です。
「好意を受け取ってくれたらそれでよい」というお誘いでした。
海外にはずっと憧れがありましたが、何しろ母子家庭だから贅沢は許されないという「思いこみ」の中で生きてきた私です。そんな私に、「お返しは要らない」と言って、ラッキーな経験をさせて下さる方が私のまわりにはいつもいて下さいました。ありがたい、まさに有難いことです。
結婚するときに夫に話すと、信じられないことばかりだと驚かれました。
「遠慮はしちゃだめ」というモットーのもとに育てられた私だから、きっと「遠慮をしないオーラ」が出ているんでしょうね。
その時々でラッキーが舞い込みます。
勿論、遠慮せずに何でも受け取るから、人から見たら「大変」なこともいっぱいやってきます。
ウソみたいに・・・これでもかという位に・・・
でも、ラッキーなことも、いっけんアンラッキーに思える出来事も、母のモット―通り全て全身で受け止めてきた私の人生です。
一方で、受けた御恩は自分にできるかたちで還元していきたいなという思いもずっと持ち続けています。
だから、私と同じように、好意をそのまんま受け取って下さる方が、私にはありがたく嬉しい存在なのです。
うっかりで、そそっかしくて、発展の途上にある私ですけれど、よいものや人を引きよせることは得意ワザかもしれません。
今日小学生とお勉強した(遊んだ?)「ことわざカルタ」に「千里の道も一歩から」という札がありました。
遠い道のりもまずは一歩踏み出すことから始まるよ、というのがもとの意味のようですが、
一歩踏み出した途端、実は千里はぐんと近づいてくるというのが真理だと私は感じています。
一番ためらいがちで、勇気が必要で重たい一歩は、実は最初の一歩です。決断して一歩踏み出したら、あとは慣性の法則のままに歩き続ければよいのです。歩くうちに仲間ができます。同じ目的の仲間の存在は足取りを軽くしてくれます。そうすると、同じ一歩なのに、まるで歩く歩道に乗っかっているように楽チンに感じられるから不思議です。
生まれるときと死ぬときは人は一人だけれど、人生という行程は「旅は道連れ 世は情け」です。
「かわいい子には旅をさせ」るのは、旅がつらいものだからではないと思います。経験をさせたいからです。子どもにとっても大人にとっても旅は人生、楽しめばよいのです。
誰にも遠慮せず、何ものにも気兼ねせず。
私の好意を真っ直ぐ受け取って下さる方のひとりから、夕方涼し気なお菓子をいただきました。
夏の風物を巧みに演出して、彩り優しく目に楽しいものです。感謝です。
本日もおつきあいいただきましてありがとうございました。