嬉しい銅・悔しい銅

オリンピック関連のメダルラッシュが続きますね。普段スポーツに関心がなくて「オリンピック?別に…興味ないし…」と言っていた人も、メダルに手が届きそうと聞いた途端に「よし!頑張れ‼」と変身します。私もその一人かもしれません。

知らなかった競技もあります。スラロームっていうのはスキーだけかと思っていました。カヌーにもスラロームというのがあって、急流の中カヌーを漕ぎ、ゲートをくるっと回ってゴールに向かい速度を競う種目なのですって。その種目でミスすることなく、みごと銅メダルを勝ち取った選手の存在も夜のニュース番組で初めて知った次第です。羽根田卓也選手です。

その羽根田選手、銅メダル獲得が決まった瞬間、左手で顔を覆って泣いていました。その姿にグッときた方は多かったんじゃないかな。高校卒業後スロバキアに渡り、ひとり武者修行に励んだのだそうです。今回3度目のオリンピックでカヌー競技で日本人初のメダルを手にして「やっと取れたなという気持ちでいっぱいです」と語る羽根田選手の笑顔、よかったです。

同じ銅メダルでも、笑顔を抑え気味なのが「お家芸」だけに手放しでは喜べないムードの柔道です。銅メダルなのに「悔しいです!」「ほろ苦いです!」「甘酸っぱいです‼」と表現は色々でも冴えない表情…テレビのこちら、つまり地球の裏側にいる私たちも「喜ぶのはタブーなのかしら」と要らぬ心配をしてしまいます。

真面目なんですね、きっと。自分に厳しいのでしょうね、柔道の選手たちは。でも、一緒に喜びたいんだな、テレビのこちらは。ふだんの試合を知ってるわけでもないのにね。

実はこの銅メダルをとった選手のひとりのことは、高校のときをちょっとだけ知っています。自分を常に律する様子がみてとれました。威張らない、高ぶらない、目立とうとしない。人間的に素晴らしい子だなと思いました。

銅メダルでは納得いかないのはわかります。でも、「お家芸」だからって特典があるわけでもなく、むしろ大きな期待というプレッシャーが肩にかかってくる中で、メダルをとれること自体スゴイことなんです。もっと単純に喜んではいけないのかしら。頑張った自分を認めてあげてもいいのではないのでしょうか。

少なくとも私のようなミーハーは、頑張った選手の感極まった姿が見たいのです。

 

さて、今日やっと行くことができた谷中のお墓参りの帰り道、自分へのご褒美にみつ豆の美味しいお店に寄りました。隣りのテーブルに陣取っていた趣味のグループの方たちの話題がオリンピックでした。「同じ銅でも喜ぶ姿がいいね」「そうね」「ホントだね」と率直な声が聞こえてきました。

 

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オリンピックを見て感動したい国民のことなど、選手たちは第一に考えなくてもいいけれど、喜ぶ姿で元気になる人も結構いるんだよって伝えたいなと思います。

本日もおつきあいいただきましてありがとうございました。

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