思いがけない言葉

今年も庭に「いちはつ」が咲き出しました。

この花が咲くといつも思い出すのはこの歌。

いちはつの花咲きいでて我目には今年ばかりの春行かむとす

天才正岡子規は、晩年、脊椎カリエスという病で寝たきりでしたが、庭のいちはつが咲くと「この花を見るのもこの春が最後だなぁ」としみじみと詠むのです。

自分でこれが最後の春だとわかっている・・・切ないですね。

 

さて「いちはつ」と教わった我が家の庭の花は本当に「いちはつ」なのかしら?

ふと疑問に思って調べてみたら、園芸店も間違える程よく似た「ジャーマンアイリス」かもしれないと知りました。どなたかご存知の方がいらしたら教えて下さいませ。

我が家の「いちはつ」と思われていたお花がこれです!

 

 

さて今日仕事の帰り、珍しく「くたびれたぁ」という感じになり、誠実に対応してくれるマッサージのお店に立ち寄りました。若くて有能なスタッフの多いお店なのですが、その中でもパワーのある店長さん(まだ20代半ばですから驚きです!)が今日は担当してくれました。

気がついたらあまりの気持ちよさにすっかり眠ってしまっていました。

帰る間際、「何度かブログを読み直してるんですよ」とのこと。以前、不思議なことが起こった話を聞かせてくれたので、それを書かせていただいたことがあったのです。

そして「読み直す度に違う箇所に納得をしてるんです」とのこと。そんな風に受け止めて下さる方がいることを知り、ありがたいなぁと思いました。

また、前回うかがった時に担当して下さった二児のママでもある女性スタッフさんは、ちょうどあの日が最後のお仕事の日であったそうです。またお会いできるかと思っていたのでがっかり。

すると「最後の日に橘さんを担当できてよかった」と言ってましたよ、と聞いて、きっとまたお会いできるなと確信しました。会話する中で私がお伝えしたことをとても熱心に聞いて下さっていたので、まっすぐに生きてらっしゃる方なのだなぁと感心したので印象深いのです。

私などの経験談がお役に立てるなら、これまで色々なことを経験してきてよかったなと思います。ありがたいことだなと思います。

 

さて帰り道、気になっていたご近所のご婦人とばったり。お若く見えるけれども既に80をいくつか過ぎてらっしゃるその方とは、その方のお孫さんと我が家の娘の通っていた学校が同じというご縁から、親近感を持って話しかけて下さることが多いのです。

話が我が家のことになった時、ふと「そういえば、ご主人(亡くなった義父のこと)がよく貴女のことを褒めてたのよ~」とおっしゃるのです。「褒める?私を?」一瞬、狐につままれたような不思議な感じになりました。よく飲み込めなかったのです。

技術者だった義父は、定年退職した後に植木を学び、シルバー人材センターに登録して植木屋さんとして働いていたことがありました。今日お会いした方のお庭も頼まれてうかがったことが何度かあったことは知っていました。

「いいお庭なんだよ」と義父が語っていたのを度々耳にしたことがあったからです。義父がそのお宅を褒めたのは知っていたけれど、その義父が私のことを話題にしてくれていたと知り、涙が溢れました。

「あら、私ったら、あなたにお話してなかったのね~」ご婦人は意外そうにおっしゃいます。

「自分のところのお嫁さんをこんな風に褒めるなんて、って感心してたのよ」ともおっしゃいました。

 

義父が亡くなって早くも二十年以上の歳月が経ちます。そんな風に思っていてくれていたなんて思いもよりませんでした。

でも何故「いま」なのでしょう?もう何度も、そのご婦人とはお話してきていますから。

少し前だったら、私自身が聞く耳を持っていなかったから、だからお話しされなかったのかもしれません。人は時に無意識に空気を感じて、話をしたりしなかったり選択していますものね。

 

課題が多くて少々くたびれ気味の私に、神さまはちょうどよいタイミングで「思いがけない言葉」のプレゼントを下さった、そう思うことに致します。

明日も頑張れそうそうです。

 

本日もおつきあいいただきましてありがとうございました。