あの日から5年。今日は多くの地で追悼の行事が開かれたようです。震災で亡くなった方の魂を鎮めることはとても大切ですが、生きてなおつらい方たちを静かに見守っていかねばならないと感じるこの頃です。
さて今日は、東日本大震災の時の命式を考えてみたいと思います。
2011年3月11日14時46分
辛卯(年)辛卯(月)乙丑(日)癸未(時)となります。
これを木・火・土・金・水の五行にすると、金・木(年)金・木(月)木・土(日)水・土(時)です。
乙(きのと)が日干なので、木をあらわします。「乙(きのと)」自体はそんなに強くはありませんが、年と月にいる「卯(う)」が強い木の意味がありますので「乙」を強めています。
木には土を剋する「木剋土(もっこくど)」という働きがありますので、日にちの地支(ちし)の「丑(うし)」を弱める働きをすると考えます。
つまり、基盤となる「土」をやっつけるという象意なのです。
さらに日にちの地支の「丑(うし)」と時間の地支の「未(ひつじ)」が冲(ちゅう)の関係にあります。冲とは、真向いにある支がにらみ合っている図であり、双方が弱め合う妨害の現象が起こるという意味にあるのです。
「丑」と「未」は共に土を意味しますので、岩盤のぶつかり合いと見ることができます。
実際の東日本大震災の地震と津波の被害をもたらしたものは、本州プレートの下に沈み込んだ太平洋プレートによる海底地震だとされていますから、「丑と未の冲」の象意にぴったり当てはまります。
そして「火土同根(かどどうこん)」という言葉があり、「火」と「土」とは根っこが同じということですが、つまりは「火」があると「土」のエネルギーが強くなる、ということなのです。それなのに、この命式には「火」にあたるものが何一つありません。
これはどういうことかというと、基盤である「土」を温めて強める「火」の五行が全くないことを意味します。
総合すると、この日の地盤はこてんぱんにやっつけられている状態だったということがわかるのです。
また、傾斜という見方ですと、強くて悪いエネルギーの「5」が、東の部屋に入ります。東の方角で災厄が起こることの暗示と読みとれるのです。これは、年盤でも月盤でも中宮(真ん中)に数字の「7」が入るため、東の卯の方角が「5」になるということです。2011年が「七赤金星」の年でこの年の3月もまた「七赤金星」だったことから、東がダブルで「5」つまり五黄殺の象意を帯びたということなのです。
しかし、四柱推命のこの知恵も未然に防ぐために活用されなければ仕方ありません。科学者の研究と共に、この知恵もまた世の中のお役に立てる方法があったらなと願います。